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松尾真由美 詩のことばと言(コト)の葉と Ⅲ

旧 ヒメシジミのいろいろ詩日記

新詩集『雫たちのパヴァーヌ』(アジア文化社)発刊と詩と写真展(書肆吉成)

新詩集『雫たちのパヴァーヌ』を上梓いたしました。


雫たち正面


文芸誌「文芸思潮」を出しているアジア文化社からの出版です。
「文芸思潮」では詩の賞の選考委員をしている関係から、
詩と写真のコラボレーション詩集という、
厄介な本作りをお願いいたしました。


雫たち後面


裏面はこんな風です。
森美千代さんのお写真のなかで同じモチーフのものを、
表紙カバーの表と裏に使わせてもらいました。
90の詩と写真が入っています。

そして、お知らせです。

表面フライヤー


札幌の書肆吉成で「詩と写真展」を行います。
11月23日には森美千代さんと私のトークもあります。


裏面フライヤー


フライヤーも森さんのお写真を使用。
綺麗に出来ていて嬉しい。
もし時間があれば、
いらして下さいませ。

新詩集の校正原稿

新詩集の校正原稿です。

校正原稿1


見られない方はなかなか見られないものですので、
アップしてみました。

もうすぐお届けできると思います。
『花章―ディヴェルティメント』(思潮社)の続編といえるもので、
森美千代さんの写真とのコラボレーション詩集。
出版元は文芸誌「現代思潮」を出しているアジア文化社から。
選考委員をしている縁で作っていただきます。


校正原稿2


写真だけの校正がこんな感じで送られていて驚く。
写真はカラーではないのですが、
ほぼベストな形で詩集に入るようで嬉しい。

詩と写真【白い紙の裏側にて】

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燃えるようで
燃えてはいない
白い紙に横たわる
たおやかな文字の質感
それら強弱の窪地のあたりで
読めないまま消えていく花と草と茎の編みこみ
遠すぎて受容されないそんな不都合にまみれている
空の湿度と夜のきらめき
追うことの渦において
夢のなかでもいいのだろう
言葉からの影が漂う

詩と写真【交差の白の中点から】

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声がとどまる
巣の痕跡
黒く静かな波の上で
乾きすぎた蔓は羽根のように羽根と交わり
円環の方位として夜の雲を望んでいる
涙にならない涙が硝子の光沢を発していて
炎に触れても火傷をしない
生疵をおおう包帯の白さにより
寒気も暖気もなく
孵化はすぐそこ
遮られてはいないのだ
柱や杭
その他のもの

詩と写真【あざやかで自由な翼を】

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一枚ずつ
開いていく
香りあるものの上空
鮮やかなみどりをたもち
こんなにも自由である
とても静かに晴れやかに
なまなましい皮膜をあわせて
あなたと私は水でつながり
午後の体温が極まるとき
柵がくずれて
息が始まる

詩と写真【反照のあてない身の内】

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しずかに滞っていく
この広やかさの底にあるもの
私の生体がうつしだすことの憂いから
色づいた葉の群れが逃れ去るように思えてきて
白昼夢のあざやかな無音のきわ
孤を反復する所作におちいる
変わっていく水面の前で
変わらない喉があり
散っても屹立する植物の美観へと
息を殺して近づいて
そのように不明なまま
つめたく明るむ
蒼の反映


写真 森美千代 詩 松尾真由美

コラボレーションライブ【聲のある場所】 

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及川恒平さんのフェイスブックから
クラシックピアノを演奏しながら自作詩を読むスタイルはなかなか無いでしょう。
そんな松尾真由美さんとコラボレーションします。
ぼくは松尾作品を歌わせてもらうことや一緒に読ませてもらったりもする予定。
いつものように弾き語りもしますが。
ぜひ聴きにいらっしゃってください。

11月3日 PM6時開演
場所 大泉学園「inF」
ミュージックチャージ 2500円

明日です。
お時間がありましたら、どうぞ。

詩と写真【香りと息吹と徒労とを】

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その
行間から
匂い立ってくるものを
華々しい息吹として
感じられれば
それでいい
透明な水のところ
あるいは凝縮の実のところ
ひろがる葉がゆらぐ明日
血腥い芽は摘んでいき
徒労の予感を
ひたすら
はらう


写真 森美千代 詩 松尾真由美

詩【入り混じることの渇き】

積み重なってしまう
乾いたほそい
茎の束
時間がたてば硝子のきらめきも失われ
小ささも大きさもひとかたまりの河口となる
流されたものたちが入り混じって蠢きあい
混濁すら余白をいざない
それぞれの特性も
必然の中断
いまだ
みずみずしい
熱を欲して

札幌・書肆吉成内ギャラリー

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札幌市中央区南1条西2丁目18 IKEUCHI GATE6F 書肆吉成では、
ギャラリーも併設されております。


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今回は岡部昌生氏の作品を鑑賞。
港千尋著『風景論』(中央公論新社)出版イベントの一つと思われます。


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港氏は岡部作品の絶対的理解者。
岡部さんは私の個人詩誌「ぷあぞん」の装幀をずっとして下さった方で、
長い付き合いになりますが、
砂澤ビッキの作品のフロッタージュは壮観。
ビッキの音威子府の写真もあったり、


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「風景論」との確かな交差もみられます。

札幌の書店・書肆吉成

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札幌市中央区南1条西2丁目18 IKEUCHI GATE6F 書肆吉成さんに行ってきました。


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私の詩集が昔のものまで置かれていて嬉しかった。


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でも、それだけではなくて詩集棚も充実していて、詩が大事にされているのを実感しました。


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一年ごとに行く札幌。
嬉しく進化しております。

詩と写真【まがまがしく晴れやかなもの】

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谷と丘または真夏の
とおい網の目
絡まりくる
けっして見えないものがあり
捕縛しあう玉子のように
そこここで充満する不穏な気分を
おだやかに閉じることなく
這う茎にこころを這わせ
恥じらいは消えてしまった
白昼夢の明るさゆえ
なおも開く
花びらである


写真 森美千代 詩 松尾真由美

コラボレーションライブ「聲のある場所」及川恒平&松尾真由美

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11月3日(土・祝)に及川恒平さんとライブを行います。
現代詩と音楽がともに楽しめます。
場所・大泉学園「inF」練馬区東大泉3-4-19津田ビル3F。
予約 ℡03-3925-6967 in-f.sato@nifty.com
ミュージックチャージ2500円。
私はピアノを弾きながらリーディング。
定評のある及川恒平さんの歌声が、
より文学に寄りそってくれています。
お時間がありましたら、ぜひ。

松尾真由美×小島きみ子 対談 「詩の持つ言葉の力と未来に向けて」

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エウメニデス朗読座談会 第二部 
対談 松尾真由美×小島きみ子「詩の持つ言葉の力と未来に向けて」が冊子になりました。
SNS事務局のtomi_tomi氏がテープ起こし印刷製本を担当。
お手数をお掛けいたしました。

詩と写真【ひろやかな耀き、その回路】

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まぶしいほど
きらめいて
軽やかさと自重の鳥
交じりあって空にまねかれ
語りかける火の紅も成熟した韻のかたちで
限りなく動かしがたい立ち位置を示している
事実も夢も本当のことだから
枯れた葉やちぎれた羽根
不要な言葉の切片すら
まるでしめやかな神話のよう
痛点から
光点へ

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